Design

小規模事業のホームページデザインで最初に決めること

執筆・編集:遊馬 祥一郎公開:内容更新:

デザインは、色や装飾を選ぶ作業だけではありません。初めて来た人が「自分に関係ある」と分かり、次の行動を迷わず選べるように情報を整えることから始まります。

ホームページの構成とスマホ表示を検討する作業風景
説明用のイメージです。まずは、どの情報をどの順番で見せるかを決めてから、色や写真を選びます。

最初に伝える対象と提供内容を一文にする

訪問者が最初に知りたいのは、細かな会社情報よりも「このサイトは自分の悩みや目的に合うか」です。トップページやLPのファーストビューでは、誰のためのサービスか、何が得られるか、次に何をすればよいかを短く伝えます。

「地域の小規模事業者向けに、ホームページ公開とWordPress初期設定を支援します」のように、相手・内容・得られることが一度に分かる一文を先に置くと、ページ全体の判断基準になります。

言葉が決まっていない状態でデザインを始めると、見出しや画像が後から何度も変わります。完成度を上げる近道は、先にこの一文を固めることです。

情報は「読む順番」ではなく「判断する順番」に置く

事業者側が伝えたい順番と、訪問者が判断したい順番は一致しないことがあります。初めての人が迷わないように、ページの上から必要な情報を段階的に置きます。

FIRST

自分に関係あるか

対象者、悩み、提供内容をファーストビューで明確にします。

THEN

信頼してよいか

対応範囲、実例、進め方、よくある不安への回答を見せます。

LAST

どう動けばよいか

問い合わせ、見積もり、予約など、次の行動を一つに絞って案内します。

会社沿革や細かな機能一覧より先に、料金や対応範囲を必要とする読者もいます。どの順番が問い合わせにつながるかは、この説明だけでは判断できません。対象読者に必要な情報を探してもらい、迷った箇所を確認します。

色は「役割」を決めてから使う

サイト全体で使う色が多すぎると、目立たせたい案内が埋もれます。ブランドカラーを使う場合も、すべてを同じ強さで使うのではなく、役割を分けると読みやすくなります。

  • ベースカラー: 背景や本文に使い、長く読んでも疲れにくい状態を作る。
  • 主役の色: 見出しや重要な区切りに使い、ページの軸を作る。
  • 行動の色: 問い合わせや申し込みのボタンだけに使い、次の一歩を分かりやすくする。

ボタンの色や形をページごとに変えすぎないことも大切です。同じ操作には同じ見た目を使うと、訪問者は考えずに操作できます。

写真と画像は、情報を補強するために選ぶ

画像は余白を埋めるために置くものではありません。サービスの利用場面、作業の流れ、人物の雰囲気など、文章だけでは伝わりにくい情報を補強するために使います。

  1. 画像の役割を決める: 信頼感、作業内容、商品・サービスのイメージのどれを伝えたいかを決めます。
  2. 同じ世界観でそろえる: 明るさ、色味、人物の距離感が大きく違う画像を混ぜないようにします。
  3. スマホで切れ方を見る: 横長の写真は、スマホで顔や重要な部分が切れていないか確認します。
  4. 容量を抑える: 高画質のまま大量に載せず、表示に必要な大きさへ調整します。

実績写真や作業中の写真を使える場合は、一般的なイメージ画像だけで構成するよりも、サービスの具体性を伝えやすくなります。掲載許可と個人情報の扱いは、公開前に必ず確認してください。

スマホで「読める・押せる・戻れる」を確認する

サイト閲覧はスマホが中心になることも多いため、PCの見た目だけで公開判断をしないことが重要です。画面が小さいほど、情報の優先順位やボタンの置き方が結果に影響します。

  • 見出しが不自然な位置で改行されず、本文が詰まりすぎていないか。
  • 電話・問い合わせ・資料請求などのボタンが親指で押しやすい大きさか。
  • メニューを開いたあとに、必要なページへ迷わず移動できるか。
  • 表、長いURL、地図、画像が原因で横スクロールしていないか。

公開前は、実際のスマホでトップ、サービス、問い合わせの3ページを開き、最初から最後まで一度操作してみるのがおすすめです。

公開前は、見た目より「迷い」を探す

最後のチェックでは、デザインの好みよりも、初めて来た人が迷う箇所を探します。知っている人ほど省略された前提に気づきにくいため、次のような問いで確認すると効果的です。

  • このサービスが誰向けか、最初の画面だけで分かるか。
  • 料金や対応範囲を知りたい人が、必要な情報へたどり着けるか。
  • 問い合わせ前に不安になりそうな点を、説明やFAQで補えているか。
  • 次に押してほしいボタンが、ページ内で競合していないか。

一度に全部を変える必要はありません。アクセスや問い合わせの動きを見ながら、見出し、導線、説明の順に一つずつ直すと、改善の理由を判断しやすくなります。

当サイトの配色を、白背景との比率で確認した

「読みやすそう」という印象だけでなく、2026年10月8日時点の当サイトのCSSにある3色を白背景と組み合わせ、sRGBから相対輝度を求めてコントラスト比を計算しました。これは指定色の計算であり、写真・透過・重なりを含む全画面の検証ではありません。

表は横にスクロールできます。

白背景 #ffffff とのコントラスト比
用途と文字色計算結果この結果で言えること
本文 #191b2017.23:1白背景上のこの組み合わせは4.5:1以上
補足 #62666e5.76:1補足を薄くしすぎず読める配色の候補
リンク #2455e65.97:1色だけでリンクと伝わる保証はない

W3Cのコントラスト解説では、通常のテキストの基準を4.5:1とし、大きい文字等は条件を分けています(2026年10月8日確認)。当サイトは本文中のリンクに下線も付け、色の違いだけに依存しない形にしています。

  1. 実際に使う文字色と背景色を1組ずつ記録する。
  2. ホバー時・押したとき・エラー時も、文字を読める配色か確認する。
  3. 背景が写真なら、文字が乗る場所ごとに確認する。白背景の結果を流用しない。
  4. 文字を拡大し、折り返しや固定高さで内容が隠れないか確かめる。

今回の色と計算結果(JSON)を保存できます。配色の合格だけでサイト全体のアクセシビリティ適合とは判断しません。

運営者の実務メモ

色や写真より先に、「誰に」「何をしてほしいか」を決める

デザインを作り始める前に、「誰に見てほしいか」と「見た人に何をしてほしいか(電話・問い合わせ・来店など)」を先に決めてもらうようにしていました。ここが決まっていないと、色や写真の好みの話ばかりになり、修正の回数が増えやすくなります。

運営者の実務経験にもとづくメモです。すべての場合に当てはまるとは限りません。

公開日: 2026-09-09

最終更新日: 2026-10-08

追記履歴

  • 2026-10-08 根拠のない10秒の表現と導線効果の断定を修正し、自サイト3色のコントラスト計算と確認手順を追加。
  • 2026-09-09 初版公開